ホリスタチンが胚移植において重要な役割を担う

ベイラー医科大学の研究チームは、｢National Academy of Sciences｣にて、子宮のホリスタチン(アクチビン結合タンパク質)が胚(受精卵)移植において重要な役割を担っていると解明した。動物モデルにおいて、ホリスタチンが肺移植に備えて子宮の生殖能力を高めたという。

子宮内膜への胚移植は、組織的プロセスであるといわれる。同大学免疫病理学部の博士研究員であるダイアナ・モンシバイス(Diana Monsivais)医師は、胚と母体の間にて情報伝達が失敗すると、胚は子宮に着床することができないと述べている。

医師によると、胚移植が失敗する要因の半数は胚と母体における情報伝達の失敗であるという。

ホリスタチンは胚移植の後にて重要な働きを担い、子宮内膜の脱落膜化を促すといわれる。子宮内膜の脱落膜化は胚の着床や成長に必要であり、妊娠成立に不可欠な過程である。

研究チームは、遺伝子組み換えにより子宮のホリスタチンが欠如した雌マウスを用いて、生殖能力に与える影響について調べた。

ホリスタチンが欠如した雌マウスは子宮への着床率が低く、生涯の妊娠・出産の回数、一度の妊娠により出産する胎児の数が少ないと報告された。ホリスタチンの欠如により、胚は子宮内膜に根を下ろすことができずに流れ出たという。

モンシバイス医師は、マウスの研究が体外受精における胚移植の最適なタイミングをはかる契機となり、将来的に胚の着床率が高まると期待している。

（画像はPixabayより）




Baylor College of Medicine
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