妊娠中のナッツ類摂取がもたらす影響
3月7日、株式会社明治、愛媛大学大学院、東京大学大学院、琉球大学大学院による共同研究チームは、「Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition」にて、妊娠中のナッツ類摂取が生まれた子(5歳児)の対人関係リスクを軽減すると発表した。
ナッツ類には不飽和脂肪酸、タンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、栄養価の高い食品である。今回、妊娠中のナッツ類摂取と幼児期の対人関係において関連性が認められた。妊娠中のナッツ類摂取により、子供の幼児期(5歳)における対人関係の問題が軽減するという。
妊娠中のナッツ類摂取と幼児の行動的問題における関係性
これまで、妊娠中のビタミンB6、カルシウム摂取量が多いほど、5歳児の情緒的問題リスクが低くなると報告されている。
また、妊娠中の母親が一価不飽和脂肪酸、α-リノレン酸、リノール酸を多く摂取することにより、幼児期の情緒的問題リスクが軽減するという。妊娠中にビタミンC、ビタミンB6、カルシウム、マグネシウムを摂取した母親から生まれた子供は、多動性や衝動性が抑制された。
そこで、研究チームは、出生コホート研究「KOMCHS」(2007年4月~2008年5月)を用いて、日本の母子1119組を対象に妊娠中の食事が幼児に与える影響を検証した。
母親に対して妊娠中の食習慣や生活習慣に関するアンケート調査を行い、子供の行動的および情緒的な問題、対人関係、多動性や衝動性、向社会的行動を評価したところ、妊娠中に母親がナッツ類を摂取した場合(1日あたり平均0.8g)、幼児期の対人関係に伴う問題が顕著に減ると報告された。
一方、妊娠中のナッツ類摂取、幼児期の行動的および情緒的な問題、多動性や衝動性、向社会的行動において関係性は認められなかった。
(画像はJournal of Pediatric Gastroenterology and Nutritionより)
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