着床前診断(ちゃくしょうぜんしんだん)とは、「受精卵の遺伝子や染色体を解析し、染色体や遺伝子に異常がないかどうかを調べる医療技術」です。
この技術は、流産を予防したり体外受精の妊娠率を高めることができ、不妊治療に役立てられています。
なお、本来の目的ではありませんが、検査の過程で染色体をみるので、妊娠(着床)前に赤ちゃんの性別を判別することも可能です。
あまり一般には認知されていないかもしれませんが、着床前診断の歴史は意外と長く、1990年に最初の出産例が報告されており、以降世界中で10,000人以上の元気な赤ちゃんが着床前診断を受けて生まれています。
なぜこれだけ多くの出産につながっているのかというと、不妊の原因の一つには、加齢による卵子の老化の影響から「染色体の異常」があり、異常のある受精卵は着床しなかったり、着床しても流産してしまう事が多いのです。
しかし、着床前診断を受けることで、染色体異常のない受精卵のみを子宮に戻すことができるので、結果的に流産率が減少し、飛躍的に妊娠率が上昇するのです。つまり、加齢によって老化した卵子が多くても異常のある受精卵を取り除けるので、若い方と同じように妊娠しやすくなるのです。
ちなみに、米国の研究所では、着床率が28%から61%にまで上昇したと報告しています。
しかし、日本においても着床前診断も行える環境はありますが、残念ながら日本産婦人科学会が定めたガイドラインにより、重篤な遺伝性疾患をもつ方など限られた方しかこの診断を受けることができないのが現状です。
当サイトでは、この着床前診断をはじめとして妊娠に役立つ情報を配信し、ひとりでも多くの妊娠を望む女性の役に立てればと思っております。