トリガー日のエストラジオールによる影響
4月11日、コロラド大学などアメリカの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、新鮮胚移植において、トリガー日のエストラジオールが3000pg/mL以下の場合、エストラジオール量が上昇するほど新鮮胚移植の成功可能性が高まると発表した。
ただし、3000pg/mL以上では、エストラジオール量が新鮮胚移植の結果に対して大きな影響を与えることはないという。
トリガー日のエストラジオール量と新鮮胚移植の結果における関係性
研究チームは、2015年から2021年の期間、アメリカの複数医療機関にて新鮮胚移植を実施した女性を対象に、トリガー日のエストラジオール量と新鮮胚移植の結果における関係性を検証した。
なお、不育症、子宮起因の不妊、トリガー日のプロゲステロン上昇量2ng/mL以上、Day3の曲線下面積(グラフ曲線下の面積)4.5ng/mL以上は除く。
患者自身の胚を用いた新鮮胚移植17608サイクルのうち成功率は29%(5025サイクル)であり、エストラジオール量が4000pg/mL以上の場合では、1000pg/mL以下の場合と比べて胚移植の成功可能性が高まることが認められた。
また、エストラジオール量ごとの胚移植結果を比較したところ、3000pg/mL以下(1000pg/mL、1000~1999pg/mL、2000~2999pg/mL)の場合、エストラジオール量が上昇するほど新鮮胚移植の成功可能性が増した。
一方、3000pg/mL以上の場合、エストラジオール量と胚移植成功率における関係性は弱く、成功率に大差はなかったという。
これより、研究チームは、エストラジオール量が3000pg/mL以下では、エストラジオール量が胚移植成功率に影響を与え、エストラジオール量が上昇するほど新鮮胚移植の成功可能性が増すと結論付ける。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
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