男性不妊は予防可能
1月8日、モナシュ大学(オーストラリア)の研究チームは、プレスリリースにて、男性不妊は精子を良い状態に保つことで予防可能であると述べたうえで、男性の生殖能力を高める方法を紹介した。
不妊は女性側に問題があると思われがちだが、オーストラリアの場合、体外受精を受けるカップル3組のうち1組は男性側起因であるという。さらに、生活様式および環境的な要因から世界的に男性の精子数は減少傾向にあり、男性の生殖能力は減退している。
一方、男性不妊は予防可能である。精子を良い状態に保つことで男性の生殖能力は向上する。
精子の質を向上させるには
肥満は男性不妊を引き起こす。肥満によってホルモンは変化し、精子の質に悪影響を及ぼす。精子数、精子運動率、正常形態率は低下し、自然妊娠および体外受精による妊娠可能性は下がる。
そこで、定期的な運動習慣、低脂肪・低糖質・高タンパク質で栄養バランスの良い食事など健康的な生活を心掛け、標準体重を維持する。体重と生殖能力には関連性があり、肥満を起因とする男性不妊の場合、体重を減らすことで生殖能力は回復するという。
あわせて、妊活に向けて禁酒や禁煙に努め、環境ホルモンをなるべく体内に取り込まないように注意する。
また、スポーツ選手やアスリート、筋力トレーニングが好きな男性やスポーツジム通いする男性は、筋肉増強剤であるアナボリックステロイドの使用を控える。
アナボリックステロイドは脂肪を減らして筋肉の成長を促すが、性機能に悪影響を及ぼす。精巣サイズは小さくなり、精子を作る能力が低下する。精子の生産が止まり、生殖能力は減退して男性不妊をまねく。
アナボリックステロイド使用は精子の生産に対して長期的に悪影響を与えるが、多くの場合、アナボリックステロイドの使用を控えてから一年以内に精子の生産が再開されるという。
(画像はプレスリリースより)
MONASH University
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