胎児の成長には微量栄養素が欠かせない

7月18日、オランダの研究チームは、「Human Reproduction」にて、微量栄養素が不足している女性に対して、妊娠前後の微量栄養素サプリメント摂取を推奨した。

妊娠前後に葉酸などを含む微量栄養素サプリメントを摂取することにより、葉酸サプリメント摂取と比べて、妊娠初期の胚発達が促され、低出産体重児や先天性形成異常リスクは軽減できるという。

胚および胎児の成長・発達にとって、葉酸は重要な栄養素といわれる。妊娠前後の葉酸サプリメント摂取は、胚および胎児の成長・発達を促し、神経管欠損症、先天性形成異常、低出生体重、在胎不当過小児(SGA)リスクを低下させる。

そこで今回、研究チームは、2010年1月から2020年12月の期間、前向きコホート研究「the Rotterdam Periconceptional Cohort」を行い、妊娠前後の微量栄養素サプリメント摂取と胚の成長における関係性を検証した。

妊娠10週未満の妊婦1076人を対象に出産まで追跡調査を実施したところ、妊娠初期の胚の形態発達ならびに流産の発生率では、微量栄養素サプリメントと葉酸サプリメントによる差異は認められなかった。

しかしながら、微量栄養素サプリメントを摂取した女性は、葉酸サプリメントを摂取した女性に比べて、胚の成長曲線を増加させ、SGA率は45％低下した。

ただし、被験者が摂取したサプリメントは多岐にわたり、サプリメント成分や摂取量は不均一であったため、胎児の成長促進やリスク軽減に効果的な微量栄養素の組み合わせ・摂取量は特定されていない。

（画像はHuman Reproductionより）




Human Reproduction
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