子癇前症の新たなスクリーニングモデル
5月6日、ラヴァル大学(カナダ)の研究者らは、アメリカ心臓協会(AHA)学会誌「Hypertension」にて、母体背景や合併症、超音波検査、血液検査を組み合わせたスクリーニング検査によって、子癇前症(妊娠高血圧腎症)の発症をより正確に予測できると発表した。
新たなアプローチは個々の状態に合わせた検査となるため、従来のガイドラインと比べて妊娠初期に子癇前症を高い精度で予測・予防でき、アスピリン投与を減少できるという。
なお、現在、高血圧、2型糖尿病、慢性腎臓病、全身性エリテマトーデスなど子癇前症ハイリスク妊婦に対して、子癇前症の発症を予防する目的でアスピリンの投与が行われるケースが多い。
新しいスクリーニングモデルの予測精度
研究チームは、複数医療機関にて妊娠11週から14週の未産婦7325人(平均年齢29歳、早産子癇前症65人、早発型子癇前症22人)を対象に、胎児医学基礎(FMF)アルゴリズムによる早産子癇前症スクリーニングについて評価した。
早発子癇前症(妊娠37週未満に発症)、早期型子癇前症(妊娠34週未満に発症)の発症は、母体因子(母体背景や合併症)、動脈血圧、血中の妊娠関連タンパク質(PAPP-A)や血管新生因子(PIGF)、子宮動脈拍動指数に基づき予測した。
FMFアルゴリズムを使用した場合、予測精度は早発子癇前症63%、早期型子癇前症77%、偽陽性率16%であった。これは母体因子(母体背景や合併症)、超音波検査、血液検査を組み合わせたアプローチとなり、従来の検査と比べて、早産子癇前症ならびに早発型子癇前症の予測精度は高くなった。
(画像はHypertensionより)
Herat Attack and Stroke Symptoms
https://www.ahajournals.org/Hypertension
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