体外受精サイクルにおけるレスキューICSIの効果
5月6日、中国の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、体外受精とレスキューICSIの併用は効果および安全性に懸念が残ると提唱した。
体外受精とレスキューICSIを併用した場合、体外受精や顕微授精と比べて妊娠率ならびに出生率が低く、在胎不当過大の割合が高くなったという。
レスキューICSIの効果および安全性に対する懸念
現在、胚の凍結保存技術として「緩慢凍結法」「ガラス化凍結法」があるが、緩慢凍結法による体外受精サイクル(従来の方法)では受精の失敗が頻繁に起こる。
そこで、デイ1に体外受精とレスキュー顕微授精(ICSI)を併用することが推奨される。レスキューICSIでは、体外受精後、受精が起きないと予測できる卵子に対してICSIを行う。
今回、研究チームは、ガラス化保存・加温による単一胚盤胞移植サイクルを対象にレトロスペクティブ分析を行い、ガラス化凍結法による体外受精サイクルにおけるレスキューICSIの効果を検証した。
妊娠率、出生率、単胎児の出生体重を比較したところ、レスキューICSI群(レスキューICSI併用703件、単胎出産219件)は、IVF/ICSI群(体外受精・顕微授精11611件、単胎出産4472件)と比べて妊娠率ならびに出生率が低く、在胎不当過大の割合が高くなった。
研究結果を受け、研究チームは、レスキューICSIの効果および安全性を懸念する。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
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