安心安全な出生前診断
2012年10月2日、東京都文京区で、日本産科婦人科学会が新たな出生前診断についての検討委員会を開き、検査の指針を年内を目標にまとめることを決めた。
これまで行われてきた出生前診断は、妊婦の羊水を採取し、胎児の細胞異常を調べるという方法だった。しかし、検査をすることによって流産する危険性もあった。
それに対し、新しく始まった検査は採血だけで胎児の染色体異常が判明するというもの。これは流産の恐れもなく、99%の確率で胎児がダウン症を持つかなどが判るという。現在、昭和大学病院や国立成育医療研究センターが臨床研究の実施を進めている。
出生前診断と倫理問題
画期的で夢のような検査方法、という声が挙がる中で、やはり懸念されるのが倫理問題。安心で結果もほぼ確実に判るこの検査であれば、これまでと違い急速に普及する可能性がある。
しかし、胎児の染色体異常が判明すれば、多くの両親が思い悩むことになるだろう。それは「生むか生まないか」。場合によっては人口妊娠中絶に繋がってしまう。
検討委員会では、何歳以上の妊婦が受けるべきか、また、検査前後に受けるカウンセリングの在り方など、様々な議論を深め指針を決定していく。今後は、障害者団体などにも参加を呼びかけ、意見交換を行う予定だ。

NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/日本産科婦人科学会
http://www.jsog.or.jp/