妊娠中のつわり症状が重篤化する要因
4月14日、南カリフォルニア大学ケック医学校(アメリカ)は、プレスリリースにて、妊娠中のつわり症状の重篤化には10個の遺伝子が関連していることを特定した。
同大学による先行研究(2023年12月)では、「GDF15(成長分化因子15)」と妊娠悪阻(重症化したつわり・悪阻)の関連性が報告されている。今回、新たに、妊娠悪阻に関与する9個の遺伝子が特定された。そのうち6つの遺伝子は、これまでこの疾患と関連が示されていなかった。なお、研究論文は「Nature Genetics」に掲載されている。
妊娠悪阻と遺伝子の関連性
研究チームは、妊娠悪阻の症状がある女性1万974人を対象にゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、妊娠悪阻に関わる遺伝的な特徴について調査した。
実験群(妊娠悪阻の症状あり)1万974人と対照群(妊娠悪阻の症状なし)46万1461人を比較したところゲノム全体における差異が認められ、妊娠悪阻に関与する10個の遺伝子が特定された。
そのうち、妊娠悪阻と最も強い関連性を示した遺伝子は「GDF15」であった。「GDF15」 は脳幹に作用するホルモンであり、妊娠中、胎盤から大量に分泌される。
遺伝子変異にて妊娠前の血中GDF15濃度が低い場合、妊娠中のつわり症状は重篤化し、激しい吐き気や嘔吐によって水分や食事の摂取が極めて困難となることが認められた。一方、妊娠前の血中GDF15濃度が高い女性は、妊娠中のつわり症状が軽度であった。
また、他の遺伝子は、食欲と吐き気、脳機能への関与が示唆される。脳が特定の食品と吐き気を結び付けるように働きかけ、その結果、妊娠中は特定の食品に対して吐き気をもよおし、嫌悪感を抱くようになるという。
(画像はプレスリリースより)

Keck School of Medicine of USC(2026年4月14日)
https://keck.usc.edu/Keck School of Medicine of USC(2023年12月13日)
https://keck.usc.edu/