皮膚細胞から卵子をつくり、子どもや孫の出産に成功!
10月5日付、朝日新聞の朝刊によると、京都大学の林克彦准教授らが、
マウスのiPS細胞から卵子をつくることに成功。また、その卵子を体外受精させて、子どもや孫の出産にも成功した。
(Photo by
mahongdong)
iPS細胞を使い生殖可能な卵子を生成
林克彦准教授らは、雌のマウスのiPS細胞を分化させて、卵子の元になる始原生殖細胞を生成。その始原生殖細胞を、将来卵巣となる体細胞と一緒に培養した。その後、培養した細胞を雌の卵巣に移植。未成熟卵子を取り出し、体外で培養・分化させ、再び母体に戻して出産させることに成功した。これら計163個の卵子から、雌雄3匹の正常な子どもが生まれたという。
不妊症解明に新たな道と険しい壁
この研究の成果により、卵巣の病気や卵子の老化といった
不妊症をかかえる女性でも、皮膚細胞などにあるiPS細胞を利用して、卵子をつくり、出産をするという道が開けたことになる。ただ、人とマウスとでは、iPS細胞の性質の違いがあることや、倫理問題などの懸念はある。また、国の法律により、iPS細胞などから生殖細胞を作ることは認められているが、受精させることは認められていない。
京都大学iPS細胞研究所長、山中伸弥氏のコメント
この成功を非常に高く評価する。精子に続き、わずか1年で卵子製作に成功したことに敬意を表します。体の中で精子や卵子がどうできるのか、研究を重ねてきたからこそと思います。不妊症の原因解明や創薬につながる大きな一歩です。

朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com