過去数十年でも最悪の流行
イギリスでは百日咳が猛威を奮っており、妊婦さんたちへの予防接種に対する臨時の取り組みが10月1日の月曜日から始まります。
イギリス政府の発表によると、今年になってからの百日咳の患者は4791人。このうちの、1230人が8月に感染確認がされているのです。2008年の1年間での患者数が908人だったことからも、現在の流行の度合いがうかがわれます。
新生児が、百日咳に感染すると、脳症などの合併症を起こしやすく、時に死に至ることすらあるのです。今年はすでに9人の赤ちゃんが百日咳で亡くなっているそうです。
胎盤を通じて赤ちゃんに免疫がつくのが狙い
このため、28週から38週の妊婦さんへの予防接種を徹底し、胎盤を通じて赤ちゃんが免疫を獲得できるようにとの取り組みが行われています。これにより、赤ちゃんが接種を受けられる生後2ヶ月の間までの感染を防ぐことが目標です。ワクチンは、百日咳、ポリオ、破傷風、ジフテリアの混合で、妊婦さんが接種を受けるにあたっての安全上の心配は全くないとされています。
また、以前に接種歴がある妊婦さんも、この追加接種を受ける必要があり、複数回の妊娠、出産の場合そのたびに追加接種を行うようにとのアドバイスも出されています。
日本では大流行の報告はなし
百日咳は3-4年のサイクルで流行が見られており、前回は2010年に日本を含む世界各国での流行が認められました。今年は日本国内に関しては、流行しているという報告は聞かれていません。

Department of Health ; Pregnant women to be offered whooping cough vaccination
http://www.dh.gov.uk/health/2012/09/whooping-cough/