女性の心の健康と、不妊についての関連を追跡
デンマークの研究者が、初めての不妊治療に取り組んだ後のこころの状態を調査したところ、不妊治療で子どもを授からなかった女性は、最低1人は子どものいる女性に比べたときに、精神科にかかっている率が高いという結果を見いだしました。
以前に行われた調査で、希望しているにもかかわらず、子どもを授かれない女性では、不安や気分障害、うつ症状などのリスクが高いという報告があったため、不妊と心の関係をさらに理解する目的で行われました。
精神科にかかる率が18%高いというデータ
これは、非常に大がかりな調査で1973年から2008年までの長期的なデータを分析したものです。分析対象は、35歳以上の女性でほぼ12万人でした。およそ、12年の追跡期間で54%の女性が出産に至りました。全体で、精神科の介入が必要となった人は5000人。この中で、子どもがいる人といない人を比較すると、子どもがいない人で18%リスクが高くなっていました。
ヨーロッパ各国では、不妊治療に対して保険での積極的な保証制度を設けている国もあり、不妊に対しての取り組みは常にホットな話題となっています。
より不妊治療が受けやすくなるような社会を目指す上で、不妊が女性のこころの健康との関係があるとしたこの研究結果は重要な指標となるでしょう。

Psych Central ; Fertility Problems Increase Risk for Mental Disorders
http://psychcentral.com/news/2012/07/03/