妊婦の時から化学物質BBzPにご注意
6月27日付の米医療系情報サイトbabycenterによると、妊娠中のお母さんが、化学物質、フタル酸ブチルベンジル(以下BBzP)に触れる機会が多いと、生まれてくるその子どもは、小児性皮膚炎になる可能性が高い、という初の調査結果が出た。
(Photo by
Yasuhiko Ito)
BBzPとは?
BBzPは、ビニル床材、カーペット、タイル、人工皮革などに、柔軟性や対候性を改良する接着剤として広く使用されている。
BBzP摂取率が高いと、2人に1人の確率で皮膚炎を発症
ハーバード大学公衆衛生学部での研究を経て、現コロンビア大学在籍のAllan Just氏らは、400人を上回る、タバコは吸わないがBBzPに多少なりとも触れる環境にある、ニューヨーク在住の黒人系ドミニカ人の妊婦を対象に、尿に含まれているBBzPの濃度を調査。また、調査対象の妊婦から生まれた新生児の顔、頭、手、足に乾燥やかゆみ、赤みを帯びた腫れなどがないかどうか診察した。
結果、尿中のBBzP濃度が高いお母さんから生まれた子どもは、52%の確率で、2歳までに皮膚炎を発症した。
BBzP摂取率とアレルギーは無関係
一方で研究員らは、BBzPが皮膚炎を発症させる仕組みまでは、現段階では解明できていない。アレルギーが1つの要因となるのか、研究員らはその子どもらに、代表的な3つの室内アレルゲンであるゴキブリ、イエダニ、ネズミのアレルギーテストについても行った。またその子どもらのアレルギーに対する特異的免疫テストも行った。
結果、BBzP摂取率とアレルギーには、全く関係性がないことが分かった。
(編集部翻訳担当 渡邉充代)

babycenter
http://www.babycenter.com