アメリカの調査
Fertility and Sterilityオンライン版で先月発表されたところによると、アメリカで行われた調査によって、女性の不安感や憂うつ感などのネガティブな心理状態が体外受精の成功率に影響を与えることはないということが明らかになりました。
調査の内容は?
この調査の対象となったのは、サンフランシスコの5つの病院で体外受精治療を受けた202人の女性です。すべての女性に対して、体外受精治療を受ける前、治療後4ヶ月時点、10ヶ月時点、18ヶ月時点において、不安感や憂うつ感を測定するためのインタビューとアンケートが行われました。
調査の結果、治療前の不安感や憂うつ感が、体外受精の成功率に影響を与えているという結果は見られませんでした。逆に、体外受精の失敗後に、不安感や憂うつ感などの症状が発症したり悪化したりしやすくなっているという結果が見られました。
今回の調査を率いたカリフォルニア大学のLauri A. Pasch氏は、次のように述べています。
女性たちには、こう言って差し支えないでしょう。「不安になることを不安になるのはやめなさい」と。
彼女たちは、まったくストレスを感じない「良い体外受精患者」であるために、自分自身にプレッシャーを与えるべきではありません。そして、もし不安を感じたり、治療が失敗に終わってしまったとしても、決して自分を責めるべきではないのです。
不安を感じても成功率は下がらない
またLauri A. Pasch氏は、体外受精治療を行う医療機関は、治療前よりもむしろ治療後の女性の心のケアに気を配るべきだと指摘しています。
体外受精を受ける前に不安感を持っていたとしても、成功率が下がるわけではないようです。もちろんリラックスできればそれが1番でしょうが、不安に感じていることを心配する必要はないということですね。

Psychological distress and in vitro fertilization outcome
http://www.fertstert.org/article/