魚類・海藻類が多く含む、ドコサヘキサエン酸
2012年5月26日~30日に、カナダ・バンクーバーにて国際脂肪酸・脂質研究学会が開かれました。そこで発表されたところによると、アメリカで行われた調査によって、妊娠中に海藻由来のDHAサプリを摂取することにより、母子ともに良い影響があるということが明らかになりました。
DHAとは、「ドコサヘキサエン酸」という不飽和脂肪酸のことで、脳や神経組織の発育・機能維持に不可欠の成分です。主に魚類や海藻類に多く含まれている成分ですが、近年は魚の消費量も減っており、DHA不足になる人も増加しているとのことです。
妊婦にも、幼児にも!
この調査は、アメリカ・カンザス大学メディカルセンターによって行われました。妊娠中に海藻由来のDHAサプリを摂取(妊娠14週から出産まで、1日600mgを摂取)することによって、母子ともに血液中のDHAレベルが上昇し、また、子どもの出生時の身長・体重・頭囲などの数値も上昇するということがわかったのです。
そして、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の調査によって、妊娠中のDHA不足は、産まれてきた子どもの発育可能性を制限してしまう可能性があるということもわかりました。
また、DHAと神経系の発達との関係を研究する団体DIAMONDによって、DHA・ARA(アラキドン酸)入りの調製粉乳が生後18ヶ月~6歳の子どもの認識力発達に影響を与えるかどうかを調べる研究も行われました。調査結果によると、特に6歳の子どもに対して明白な効果が見られたとのことです。
すべての人々に重要なDHA
妊婦や幼児に限らず、DHAはすべての人々にとって重要な成分となっています。動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中、高血圧などの病気を予防する効果もあるのです。
魚を積極的に食べる生活はもちろん、海藻由来のDHAサプリも試してみたいところです。「魚を食べると頭が良くなる」というのは、やっぱり本当だったんですね。

国際脂肪酸・脂質研究学会2012
http://www.issfal2012.com/