不妊治療に対する改定案は、より多くの人を対象に
イギリスでは、同性愛者や42歳までの女性に対して、無償で体外受精などの不妊治療を受けられるようにすべきだという有識者からの提言の導入が検討されています。
こうした意見を盛り込んだガイドラインの草案が5月22日の火曜日に発表されました。この中で、HIV陽性者やがん患者で保存した精子や卵子を用いて子どもを持つことを望む人に対しては、政府からの補助で費用をカバーするべきだとしています。
女性の年齢上限は40歳から42歳へ引き上げ勧告
現在の保険システムでは、不妊治療を3年以上行っているカップルに対して、一般的に3サイクルまでの体外受精が保険適応になります。1サイクルのコストは約4730ドルにあたります。この際に、女性の年齢の上限は40歳とされていました。
体外受精で出産に至る確率は4サイクルに1回、40歳を超えると10サイクルに1回と言われているため、ヨーロッパ諸国でも40歳を上限としているところが多く見られますが、今回の案ではこれを42歳まで引き上げるようにとしています。
同性愛のカップルにも子どもを授かる機会を
ヨーロッパの多くの国々では、同性愛カップルを対象とした体外受精は禁止しています。しかし、イギリスの公立の不妊クリニックでは、すでに同性愛カップルに対して体外受精を行っているところが多くあります。今回の草案で、同性愛者に対する体外受精に対して法的に効力があるわけではありませんが、これを認める形となりました。
英国不妊治療協会によれば、今回検討されているガイドラインでは、子どもを授かる機会を持つすべての人がそれを享受できるように、と不妊治療の重要性を再認識した形での改訂が加えられることになるようです。

CTV News ; UK to extend free IVF to older women, same-sex couples
http://www.ctv.ca/CTVNews/Health/20120522/UK-free-IVF-older-women-couples-120522/British Fertility Society 英国不妊治療協会
http://www.britishfertilitysociety.org.uk/