精子の提供はすでに12ヶ月待ち
オーストラリアのパースでは、この7ヶ月の間、体外受精に用いる精子をアメリカやヨーロッパから輸入しており、すでに6件の妊娠成立が確認されています。それでも、12ヶ月先まで他人の精子を使っての体外受精は予約がいっぱいとのことです。この動きは、オーストラリアの他の場所にも影響を及ぼしつつあります。
精子提供には、厳密な規定が設けられており、ドナーにカウンセリングを行うこと、一人のドナーからの提供は5人の女性までに制限することなどで、将来的に子どもたちが遺伝背景を知らずに知り合って、近親婚となってしまうというリスクを最小限に抑えています。
しかし、輸入精子の場合、こうしたリスクがきわめて低いため、1人のドナーからの提供は7人から10人の女性までに拡大できるのではないかとされています。
原因は肥満
国内の精子バンクのストック不足の原因は、国民の多くが肥満の状態にあることだとされます。通常、人工授精に用いる健康な男性の精子は、1ミリリットル中に2000万の精子があることが基準としていますが、健康な体重を上回る男性ではこれが360万、肥満の男性に関しては、わずか70万に減少してしまうのです。
10年前までは、不妊の原因の6割方は女性側に問題があったが、現在ではカップルの不妊の原因は男女50-50となってしまったそうです。肥満と不妊の関係は、これまでも取りざたされてきましたが、すでに深刻な状況が始まっているといえるでしょう。

The West Australian ; Fertility clinic importing sperm
http://au.news.yahoo.com/thewest/a/-/breaking/13793459/fertility-clinic-importing-sperm/