帝王切開と肥満との関係性
Archives of Disease in Childhoodオンライン版で5月23日に発表されたところによると、帝王切開で産まれた子どもは、自然分娩で産まれた子どもに比べて、肥満になる確率が約2倍高いということが判明しました。
アメリカでは現在、3人に1人の赤ちゃんが帝王切開によって産まれてきています。過去の研究によって、帝王切開で産まれた子どもは喘息やアレルギー性鼻炎になりやすいということも指摘されていますが、今回の調査で新たに肥満との関係が明らかになりました。
調査の内容は?
この調査は、1999~2002年の間にマサチューセッツ東部で外来マタニティサービスに参加した、1255組の母子を対象に行われました。そのうち284人(22.6%)の子どもが帝王切開で産まれ、971人(77.4%)の子どもが自然分娩で産まれました。
そして、出産直後、生後6ヶ月、生後3年の3度にわたって、子どもの体重や体脂肪などのデータが計測されました。
このデータ分析の結果、自然分娩で産まれた子ども(3歳時)の肥満率は7.5%だったのに比べ、帝王切開で産まれた子どもの肥満率は約2倍の16%という結果が現れたのです。さらに体脂肪率においても、帝王切開で産まれた子どもの方により高い数値が見られました。
体内に取り込むバクテリアの違い
この原因は、調査を行った研究者たちによると、それぞれの出産方法によって赤ちゃんが体内に取り込むバクテリアの違いだと言われています。帝王切開で産まれた子どもの腸内には、一般的に肥満者が多く持っている、ファーミキューテス類の細菌が多く見られたとのことです。
これは興味深い結果ですね。必要に迫られて帝王切開による出産をしなければいけない、というわけでなければ、なるべく自然分娩で産んだ方がよさそうです。

Delivery by caesarean section and risk of obesity in preschool age children: a prospective cohort study
http://adc.bmj.com/content/early/2012/05/09/