受精卵の連続観察が可能に
最新の技術を使って、不妊治療を行う医師が、受精卵を最長5日間まで連続して観察できるようになったそうです。この技術の開発によって、人工授精を行うときに、何らかの異常が現れた受精卵をより高い精度で見分けて、健康な受精卵を子宮に植えつけることができるようになります。
現状では、受精卵の発達の確認は、不妊クリニックのスタッフなどが顕微鏡を使って行いますが、頻度は1日1回で、これでは、何らかの異常な変化が起こったときに見逃してしまう恐れがあるとされていました。けれども、受精卵を生育させる保育器から取り出さないと観察ができない技術的な限界があり、これ以上頻繁に観察することは難しいとされていました。
英国ではすでに導入開始、妊娠成立率がアップ
英国で最大の不妊治療期間であるCare Fertilityでは、この、最新の顕微鏡を傘下の一部のクリニックに導入しました。この設備が、実際の患者さんに対して英国で使われるのは初めてとなりました。
すでに、200人の患者さんによる、1500の受精卵や胎児の観察を行っており、妊娠成立の確立が大幅に向上したそうです。
従来の観察方法では、3件に1回の妊娠の成立だったのが、継続観察を行うようになって、2件に1回が妊娠成立に至るようになったとのことです。この方法で人工授精を行って、すでに出産した人もいますし、現在では70名程度の女性が妊娠継続中とのことです。
専門家によると、受精卵から胎芽への発達は、とても神秘的で、複雑に絡み合ったプロセスなので、保育器から取り出さずに継続的に観察できるようになったことの意義はとても大きいとしています。今後世界的にこの様式が広まることが予測されます。

The Telegraph ; New fertility microscope allows parents to watch baby from conception
http://www.telegraph.co.uk/health/healthnews/9216206/New-fertility-microscope-allows-parents-to-watch-baby-from-conception.htmlCare Fertility
http://www.carefertility.com/