悪阻症状が現れる時期
1月12日、ウォーリック大学(イギリス)の研究チームは、大学プレスリリースにて、排卵日を起点に妊娠数週を計算した場合、最初の悪阻症状(吐き気、嘔吐)は妊娠成立後3日で現れると発表した。なお、研究論文は「BMC Pregnancy and Childbirth」(1月6日)に掲載されている。
妊娠数週は、最終月経日(妊娠前の最後の月経開始日)を起点に計算される。しかしながら、月経周期は個人差が大きく、排卵日起点のほうが、より正確に妊娠数週を計算できるといわれる。
今回、排卵日起点では時間枠が狭まり、最終月経日起点の妊娠数週と比べて悪阻症状の開始は早まり、妊娠成立3日後であったと報告された。一方、最終月経日起点では、11日後から悪阻症状が始まった。つまり、妊娠超初期に軽い悪阻症状が現れ、妊娠7週から8週までに症状が消えている場合もあるという。
妊娠と悪阻
妊娠中の女性のうち、大半は悪阻を経験するといわれる。悪阻症状は妊娠12週から14週頃には治まるが、中には妊娠終了まで続くケースもある。これまで、悪阻は心理的要因によって起こると考えられてきたが、近年、悪阻と妊娠期における特定の成長・発達段階には関連性があり、生理学的要因にて悪阻症状が現れると報告された。
また、先行研究では、妊娠中に悪阻症状が現れた女性は約80%であったが、今回の研究では、94%の女性が悪阻を経験したことが認められた。
最終月経日および排卵日起点による妊娠数週の計算と悪阻症状が始まる時期
研究チームは、妊婦256人を対象に尿検査を実施し、悪阻症状の始まりを最終月経開始日、排卵日と比較した。
排卵日を起点に妊娠数週を計算した場合、最初に悪阻症状が現れたのは、妊娠成立8日から10日後であった。一方、最終月経日に基づく場合、最初の悪阻症状は20日から30日後に現れた。
研究チームは、排卵日を起点に妊娠数週を計算することにより、妊娠中に悪阻症状が現れる、悪阻を経験する女性が、これまで考えられていた以上の割合であることを認め、妊娠7週から8週以前に軽い吐き気など軽度の悪阻症状を感じている場合もあると指摘する。
(画像はWARWICKより)

WARWICK
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