カフェインの危険性
レイキャビク大学(アイルランド)の研究チームは、「British Medical Journal Evidence Based Medicine(BMJ)」にて、妊娠期のカフェイン摂取は胎児に有害であると発表した。
コーヒーに含まれるカフェインには常習性がある。妊娠期の女性のうち、大半(例えばアメリカ82%、フランス91%)は日常的にコーヒーを飲むといわれる。
今回、ナラティブレビューを通して、カフェインの薬理作用として、母親のカフェイン摂取による胎児発育への潜在的な脅威が考えられると指摘し、妊娠期の母親および妊活中の女性に対して、カフェイン摂取量に注意を払うべきであると訴える。
妊娠期のカフェイン摂取による潜在的な脅威
研究チームは、カフェイン摂取と妊娠結果に関する観察研究32件、研究論文42文献を対象に、妊娠期のカフェイン摂取による潜在的な脅威を検証した。
妊娠期の母親のカフェインとネガティブな妊娠結果(流産、死産、低出産体重、胎児発育不全(遅延)、早産、小児急性白血病、子供の過剰体重・肥満)リスクにおける関係性を検証したところ、32件においてリスク増加が認められた。一方、10件は、妊娠期のカフェイン摂取とネガティブな妊娠結果において決定的な関係性はないとした。
また、複数研究を含むメタ分析17件のうち、14件では、妊娠期のカフェイン摂取によって死産、低出産体重、胎児発育不全(遅延)、小児急性白血病のリスクが増すと報告された。妊娠期のカフェイン摂取と子供の過剰体重・肥満における関連性は認められず、メタ分析3件では、カフェイン摂取による有害性の決定的な証明には至らなかった。
現在、米国産科婦人科学会(ACOG:The American College of Obstetricians and Gynecologists)、アメリカ食生活指針諮問委員(DGAC:The US Dietary Guidelines Advisory Committee)、欧州食品安全機関(EFSA:European Food Safety Authority)では、妊娠中の1日あたりのカフェイン推奨摂取量を200mg未満(カップ約2杯分)と定める。
それゆえ、研究チームは、胎児への有害性を理由に、子供を望む妊活中の女性および妊娠期の女性はカフェイン摂取に注意する必要があると強調する。
(画像はBMJより)

BMJ
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