夜間の電子メディア使用による危険性
米国睡眠医学会(AASM:American Academy of Sleep Medicine)は、米国睡眠関係学会連合集会「SLEEP 2020 the annual meeting of the Associated Professional Sleep Societies」(8月27~30日、オンライン開催)にて、夜間の電子メディア使用と精子の質の低下において相関関係があると発表された。
スマートフォン、タブレットなどの電子メディアを夜間に使用することにより、機器から出る短波長光を浴び、精子の質が低下する報告された。夜間に電子メディアを使用した男性では、精子濃度、精子運動性(遊泳能力)、精子活力の全てが低くなり、一方、不動精子率(遊泳能力のない精子率)は高くなった。
夜間の電子メディア使用と精子の質の関連性
今回の研究では、初めて、精子の質、夜間のデジタルデバイス(スマートフォン、タブレット)から出る短波長光の曝露時間における相関関係に着目した。
研究チームは、不妊検査を受ける男性116人(21~59歳)から精子サンプルを採取し、夕方や就寝前(ベッド・布団の中)における電子メディア(スマートフォン、タブレット)の使用と精子の質の関連性を検証した。
被験者は、アンケート調査を介して夜間の電子メディア使用状況、睡眠習慣を回答した。アンケート調査より、機器から出る短波長光の曝露時間の増加に伴い、精子の質が低下することが認められた。夜間のスマートフォンやタブレットの使用、テレビの視聴は、精子濃度の低下と相関関係にあった。
また、睡眠時間と精子運動率は相関関係にあり、睡眠時間が長い場合、精子数は増え、精子運動率は高くなった。一方、睡眠時間が短くなると、精子の質は低下した。
(画像はプレスリリースより)

SLEEP
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