レーザーアシステッドハッチングによる効果
1月7日、中国の研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、レーザーアシステッドハッチング(LAH:胚孵化補助)により、凍結融解胚移植の出生率が改善すると発表した。
レーザーアシステッドハッチングとは
レーザーアシステッドハッチングは1990年代初期に確立された。凍結した胚盤胞を子宮へ戻す前にレーザーを使って胚を覆っているゼリー状の殻「透明帯」の一部を薄くしたり、切開したりして胚の着床を補助する。
正確、迅速、安全な方法であり、特に、凍結融解胚移植サイクルにおいて効果的とされる。
凍結融解胚移植とレーザーアシステッドハッチング
研究チームは、2016年1月から2020年12月の期間、山東中医薬大学附属病院 生殖・遺伝センターにて実施された凍結融解胚移植5779サイクル(卵割胚を使用)を対象に、レーザーアシステッドハッチングの効果を検証した。
傾向スコアマッチングに基づき、凍結融解胚移植3535サイクルのうち1238サイクルに対してレーザーアシステッドハッチングを実施した。
レーザーアシステッドハッチング実施グループは、未実施グループと比べて出生率が高くなった。また、妊娠損失率ならびに異所性妊娠(子宮外妊娠)率は低くなったが、差異は小さいという。
なお、着床率、生物学的妊娠(化学流産)率、臨床妊娠率、多胎性妊娠率、一卵性双生児率において相違は認められなかった。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)

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