減量後の不妊治療による相違
1月18日、ペンシルベニア州立大学医学部の研究チームは、同大学プレスリリースを通じて、肥満と原因不明の不妊症において、不妊治療開始前の減量と健康な妊娠・出産には関連性はないと発表した。
今回、肥満女性が減量後に不妊治療を開始した場合、体重減少によって、妊娠および出産に著しい変化は認められなかった。しかしながら、肥満女性の減量には、健康状態を大きく改善する効果がある。
なお、研究論文は「PLOS Medicine」(1月18日付)に掲載されている。
不妊治療の開始前の減量と妊娠・出産における関係性
研究チームは、体格指数(BMI)「肥満(30以上)」、原因が特定できない不妊症の女性300人以上を対象に、不妊治療の開始前の減量と妊娠・出産における関係性を検証した。
今回の研究では、無排卵症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、月経異常・生理不順の女性は除外された。被験者の排卵・月経周期は規則的であったが、1年以上経過しても妊娠に至らず、原因不明の不妊症であった。
被験者は2グループに分けられ、不妊治療開始前16週間、「身体活動・運動の増加と食事管理・投薬による減量」あるいは「身体活動・運動」を行った。なお、不妊治療期間は3サイクル、排卵刺激や子宮内精子注入法・人工授精も含まれた。
不妊治療期間の終了後、2グループを比較したところ、妊娠率および健康的な出産において大きな差異は認められなかった。減量後に不妊治療を開始したグループは、子供の体重が平均7%減少したが、それ以外の相違は確認されなかった。
不妊治療による妊娠・出産に大きな改善は見られなかったものの、研究チームは、肥満女性の減量は重要であると強調する。体重を減らすことで、血圧の降下、胴囲・腹囲(ウエスト)の減少をはじめ、健康状態は著しく改善する。
(画像はプレスリリースより)

Penn State Health
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