妊娠中の薬の服用による影響
4月20日、ネブラスカ大学メディカルセンター(アメリカ)の研究チームは、処方箋医薬品の特定成分による出生前曝露と子供の自閉スペクトラム症において有意な関連性があると示した。
今回、抗精神病薬や循環器系治療薬に含まれるステロール生合成を阻害する成分と子供の自閉スペクトラム症(ASD)における関連性が報告された。妊娠中の母親がステロール生合成系阻害剤を服用することにより、子供の自閉スペクトラム症リスクが増すという。
なお、研究論文は「Molecular Psychiatry」に掲載されている。
妊娠中のステロール生合成系阻害剤の服用と子供の自閉スペクトラム症における関係性
研究チームは、アメリカの全国的な電子カルテデータベース「Epic Cosmos」を用いて、母子健康保険記録データ614万件(2014~2023年、アメリカ全出生数の約3分の1相当)を対象に妊娠中の処方箋医薬品と子供の自閉スペクトラム症における関係性について検証した。
データ分析を通じて、妊娠中のステロール生合成系阻害剤の服用と子供の自閉スペクトラム症リスクにおいて有意な関連性が認められた。
胎児の脳が発達するうえでコレステロールは不可欠であり、妊娠20週前後から胎児脳内ではステロールが生成され始める。それゆえ、妊娠中のステロール生合成系阻害剤の服用は胎児脳でのステロール生合成経路を阻害してステロール生成量を抑制し、その結果、自閉スペクトラム症リスクが高まるという。
妊娠中の母親がステロール生合成系阻害剤を服用する場合、子供の自閉スペクトラム症の診断率は1.47倍となった。投与量に伴い自閉スペクトラム症リスクは高まり、ステロール生合成系阻害剤が1種類増えるごとに子供の自閉スペクトラム症リスクは1.33倍増となった。
また、妊娠中に4種類以上のステロール生合成系阻害剤を併用した場合、子供の自閉スペクトラム症リスクは2.33倍に達した。
なお、今回、自閉スペクトラム症リスクとの関連が認められたのは、抗精神病薬(アリピプラゾール、ハロペリドール、セルトラリン、トラゾドン)、スタチン系薬剤(アトルバスタチン、プラバスタチン)、心血管系用薬(メトプロロール、ネビボロール、プロプラノロール、ロスバスタチン、シンバスタチン)である。
(画像はプレスリリースより)

University of Nebraska Medical Center
https://www.unmc.edu/