染色体異常に関する発見
ジョージアズ・レジェネレイティブ・バイオサイエンスセンターの研究者らは、マウスを用いた実験を通して、胚(受精卵)に染色体整列や染色体分配(遺伝子情報の継承)の初期過程を確認できたと発表した。
この発見は世界初であり、先天性異常を生じさせるメカニズムや癌細胞が持つ染色体不安定性を解明する糸口になるという。また、将来的に、初期の妊婦健診において染色体不安定性のリスクを減らし、予防に活かせると期待される。
現在のところ、卵母細胞内のみに出現する「ATRX」と呼ばれるプロテインを取り除くことで、染色体分離の異常を防げると判明している。「ATRX」は母親からのみ遺伝し、機能不全になると染色体分離に異常を来すという。
PGSとPGDの最先端技術
「aPareont IVF」は、「着床前受精卵遺伝子スクリーニング検査(PGS)」「着床前診断(PGD)」に関する最先端技術を開発した。
「aPareont IVF」創始者であるコリン・ワグナー・コフリン(Colleen Wagner Coughlin)氏は、「着床前受精卵遺伝子スクリーニング検査(PGS)」「着床前診断(PGD)」により受精卵(胚)を分析し、嚢胞性腺維症や筋ジストロフィーといった遺伝子突然変異、染色体異常を発見できると述べている。
最大の利点
受精卵(胚)が持つ染色体異常は受精卵移植に影響を与え、着床の失敗、流産を招く要因と成り得る。妊娠に至った場合には、胎児が障害を持つ可能性は高くなる。
最先端技術では、受精卵移植を行う前(体外受精後5~6日後)にスクリーニングを実施する。
受精卵(胚)が持つ染色体異常や遺伝子欠陥が明らかとなり、健康な受精卵(胚)を子宮に移植できる確率が高まるという。この点は、最大の利点と言えるだろう。
研究者によると、顕微鏡下では健康な受精卵(胚)に見えたとしても、およそ半数に染色体異常が確認できるという。また、年齢に比例して、受精卵(胚)における染色体異常の確率は高くなるとも述べている。
(画像はイメージです)
by Mehmet Pinarci
PHYS ORG
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