新たな治療用ゲルの効果
スタンフォード大学の研究チームは、「Nature Biomedical Engineering」にて、心臓手術後、新たに開発した治療用ゲルを噴霧することにより、器官と内部組織における癒着、繊維結合を防げると発表した。
新たに開発された治療用ゲルは、心臓手術、腹部手術に伴う臓器の癒着を防ぎ、女性不妊の要因となる癒着など長引く癒着を治療できるという。
また、今回、スタンフォード大学が開発した治療用ゲルは、従来の癒着防止剤・薬と比べ、治療効果が高いと報告された。現在、市場に流通している癒着防止剤・薬は、ゴムシート、鉱油であるが、癒着を防ぐ効果は期待できない。
手術に伴う癒着
研究チームが、ラットを用いた動物モデル実験を行ったところ、新たな治療用ゲルは内部組織に損傷を与えることなく、術後の癒着を防げると確認された。
手術のうち95%では、術後に癒着が生じるといわれる。手術に伴う大部分の癒着は無害であり、身体に悪影響は及ぼさないが、腹部手術は腸の捻じれ、圧縮を引き起こす。
特に、婦人科手術は、術後に内部組織が癒着を引き起こす可能性が高い。癒着は女性不妊の要因となり、治療用ゲルが女性不妊の解決策になると期待される。新たに開発された治療用ゲルは、内部組織にダメージを与えることなく、女性不妊の要因となる癒着など長引く癒着を治療できるという。
(画像はStanford MEDICINEより)

Stanford MEDICINE
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