早発卵巣不全が身体・精神に与える影響
州立カンピーナス大学(ブラジル・サンパウロ州)の研究チームは、「The North American Menopause Society (NAMS)」にて、早発卵巣不全(POI)のホルモン治療を受けている女性は、卵巣機能が正常な女性と比べ、睡眠の質が落ち、疲労が蓄積する傾向にあると発表した。
今回の研究では、早発卵巣不全と睡眠の質、疲労蓄積には関係性があると報告された。
研究チームによると、閉経が近づいた、あるいは閉経を迎えた女性は、睡眠の質が悪化し、疲労が増幅する傾向にあり、約半数が睡眠障害に悩まされているという。不眠症などの睡眠障害に加えて、疲労蓄積により身体的な痛み、気分障害も伴い、仕事効率は落ちる。
早発卵巣不全とは
早発卵巣不全とは早発閉経ともいわれ、40歳未満で卵巣機能が停止し、月経がこなくなる疾患である。卵巣機能に異常をきたし、数年に亘って月経周期が不規則となり、生理不順が生じる。それゆえ、妊娠可能性が低くなる。
早発卵巣不全は、低エストロゲン症、不妊、性の変化から心理的障害に至るまで、身体的・精神的に影響を及ぼす。
早発卵巣不全と睡眠の関係性
研究チームが、早発卵巣不全を含む女性(平均年齢35歳)を対象に睡眠パターンと疲労蓄積度を調査したところ、早発卵巣不全の女性は、ホルモン治療を受けているにも関わらず、正常な卵巣機能である女性と比べ、入眠までに時間を要し、睡眠の質が低下していた。睡眠薬は、早発卵巣不全の女性の服用率が高くなった。
また、早発卵巣不全の女性における疲労蓄積度は高くなった。ステファニー・フォービアン(Stephanie Faubion)博士は、見落とされ、知られていない側面であるが、睡眠の質の低下と疲労の増幅は低エストロゲン症の初期症状であると指摘する。
早発卵巣不全の女性では、睡眠時間と授かった子供の数に関連性が認められ、睡眠時間と質の向上により妊娠可能性は高まるといえる。
(画像はPixabayより)

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