妊娠妊娠のストレスによる影響
西オーストラリア大学の研究チームは、「Human Reproduction」にて、子供が男児である場合、妊娠初期に母親がストレスを受けることにより、男性生殖組織の形成、生殖器の発達に悪影響を及ぼすと発表した。
妊娠初期に母親が受けたストレスは、将来的に、子供である男児の精子数を減少させるという。
男性生殖器は妊娠初期に発達し、最も脆弱である。この時期の母親がストレスに曝されると、子供である男児の生殖組織に異常を生じさせ、長期に亘って生殖能力に対して悪影響を及ぼし続ける。
妊娠初期のストレスと男性生殖器における関係性
研究チームは、1989年から1991年に掛けて妊娠18週目であった女性(約3000人)を対象に実施された前向き縦断研究を用いて、妊娠初期のストレスと男性生殖器における関係性を検証した。
被験者にはアンケート調査を行い、妊娠初期(妊娠18週)と妊娠後期(妊娠34週)において、引っ越し、失業、家族や友人の死などのライフイベントを通して受けるストレスに関して回答した。
調査結果より、妊娠初期のストレスは総精子数、運動精子や朝の血中テストステロン濃度に否定的な影響を与えることが認められた。
妊娠初期にて母親がストレスの多いライフイベントを3回以上経験した場合、誕生した子供は、妊娠初期にストレスを受けていない母親の子供と比べ、精子数が平均36%減少した。また、運動精子は12%減、テストステロン濃度では11%減となった。
一方、妊娠後期のストレスと男性の生殖能力における関係性は認められなかった。
研究チームは、妊娠初期のストレスと精子には関係性があり、妊娠初期を健やかに過ごす重要性を強調する。
(画像はPixabayより)

Human Reproduction
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