ナッツ類による効果
スペインの研究チームは、「European Journal of Epidemiology」にて、妊娠初期においてナッツ類(クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピーナッツ、松の実など)を週3回以上、1週間あたり平均74g摂取することにより、子供の認知能力が高まり、IQ(知能指数)が向上すると発表した。
先行研究では、妊娠期のナッツ類摂取により、高血圧、糖尿病、酸化ストレスのリスクが軽減すると報告されている。また、ナッツ類は、高齢に伴う認知機能の低下を抑制する効果もあるといわれる。
妊娠期のナッツ類摂取と子供の認知機能における関係性
研究チームは、妊娠初期にナッツ類を摂取した母親あるいは全く摂取しなかった母親、その子供2208人を対象に、妊娠期のナッツ類摂取と子供の認知機能における関係性を検証した。
母親は、妊娠初期と後期に食物摂取頻度調査を受け、妊娠期の食生活について回答した。子供に対しては、1歳半、5歳、8歳に記憶力・注意力検査を実施した。
妊娠初期の母親がクルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピーナッツ、松の実を含むナッツ類を1週間あたり2~3オンス食べた場合、子供の記憶力・注意力検査におけるIQは、妊娠初期にナッツ類を全く摂取していない母親の子供と比べ、高い数値となった。
一方、妊娠後期のナッツ類摂取と子供のIQにおける関係性は薄いことが認められた。
ナッツ類には葉酸、脂肪酸、オメガ3が豊富に含まれ、健康や認知機能に対して有益な効果を与える。研究チームは、妊娠初期は胎児にとって重要な成長段階であるが、妊娠初期の母親がナッツ類を摂取することにより、胎児の神経組織にナッツ類に含まれる栄養素が蓄積し、脳の発達に肯定的な影響を与えると推測する。
(画像はPixabayより)

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