ラボオンチップ技術による出生前診断
南オーストラリア大学の研究チームは、「Advanced Materials Technologies」にて、ラボオンチップ技術により、妊娠初期における胎児の遺伝子異常を幅広く特定可能になると発表した。
ラボオンチップ技術とは、血液検査を目的に開発された技術である。バイオ実験室の機能を微細加工して集約したマイクロチップ上に、極微量の血液、体液、細胞などを含む溶液を垂らして疾患の診断、遺伝子の解析を行う。
同大学のマーニー・ウィンター(Marnie Winter)博士は、ラボオンチップ技術により非侵襲的な出生前診断が可能になると強調する。
血液サンプルより遺伝子異常の特定
従来の出生前診断では、主に、羊水検査・羊水穿刺(羊水中の物質、浮遊する胎児細胞より染色体・遺伝子異常を特定する)、絨毛検査(胎盤と子宮をつなぐ絨毛を採取して分析する)が行われている。
一方、ラボオンチップ技術では、妊娠初期の母親から血液サンプルを採取・解析することにより、従来の診断と比べ、より詳細な遺伝子分析が可能になる。
ウィンター博士は、妊娠5週以降、母親の血液内にて胎盤に由来する胎児の細胞を確認できると説明する。ラボオンチップ技術を通して、母親の血中や白血球に含まれる極微量の胎児細胞まで検査対象になり、幅広い遺伝子異常が特定できると説明する。
(画像はPixabayより)

University of South Australia
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