妊娠期における喫煙の危険性
アメリカ心臓協会(米国心臓協会)は、「Journal of the American Heart Association」にて、妊娠期の母親が嗅ぎタバコ「スヌース」を使用した場合、胎児の健康に悪影響を及ぼし、子供の高血圧リスクを高めると発表した。
妊娠期の母親がスヌースを使用すると、ニコチンは胎盤を容易に通り抜け、胎児まで到達する。胎児はニコチンに晒され、子供の健康に悪影響を及ぼし、5~6歳における収縮期血圧(最高血圧)が高くなると報告された。
スヌースは、スウェーデンで生まれた嗅ぎタバコである。歯茎と上唇の間にタバコ葉入りの小袋を挟み、唾液によってタバコ葉からニコチンが染み出す。ニコチンを含む唾液を飲み込むことでニコチンが摂取できる。燃やさない、加熱しないタバコであり、煙・蒸気も出ず、臭気もない。日本では数種類の扱いがある。
妊娠期における喫煙と子供の健康影響
研究チームは、妊娠期に喫煙していた母親を含む母子を対象に、妊娠期における喫煙と子供の健康影響を検証した。先行研究では、妊娠期の母親が喫煙していた場合、早産、低出産体重児、死産を含む悪影響は持続すると報告されている。
子供(5~6歳)の血圧・心拍数を測定したところ、母親が妊娠期に喫煙していた場合、妊娠期に喫煙していなかった母親の子供に比べ、最高血圧が4.2mmHg高くなった。
研究チームは、スヌース、タバコ・巻きタバコなどに関わらず、妊娠期の母親がニコチンを摂取することにより、胎児はニコチンに晒され、健康に否定的な影響を与えると説明する。
(画像はプレスリリースより)

American Heart Association
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