現時点では外科的手術による検査が行われている
無精子症の男性が、体外受精で子供をもつことが可能かどうか、現時点では外科的手術による検査が行われている。医学誌「Science Translational Medicine」に掲載された研究によると、これまでの外科的手術なしで行う、新しい検査方法が開発された。
無精子症の男性の不妊治療において、現在の診療では、外科的手術による精巣の生体検査が行われている。外科的手術によって正常な精子を抽出することが可能であれば、体外受精で生物学上の実子をもつことが可能だ。精子を抽出することが不可能だった場合は、ドナーによる提供が次の選択肢となる。
精液内のバイオマーカーを確認して、手術の結果が予測できる
イギリスのBBCニュースが報じた内容によると、この新しい検査方法は、カナダの研究者によって開発された。
精液内の2種類のバイオマーカーを確認することで、精子の抽出が成功するかどうか予測することができる。睾丸内の精子を探す外科的手術を行う前に、判断することが可能になり、不要な手術による身体面、費用面の負担をともに減らすことが期待される。
実用化は早くても1年後
この新しい検査方法は、不妊治療クリニックでの実用化に向けて進行中で、早ければ1年後、遅くとも2年後には、これまでの外科的手術による検査方法から、代替されるだろうと述べられている。
外科的手術には、麻酔や術後の痛みがつきものだ。また、出血や感染症のリスクもある。この新しい検査方法が導入され、治療に取り組む男性の心理的、身体的負担が軽くなることを願う。

BBC News
http://www.bbc.co.uk/news/health-25018137