代理母使う男性米国で増加
病気などのため、子どもを産めない女性が、自分以外の第三者の女性に妊娠・出産をしてもらう「代理出産」に新しい動きが出ていることが分かった。米国では同性愛者の男性カップルや独身男性が自分の精子を使って、第三者の女性に子どもを産んでもらう代理出産が増加傾向にあるというのだ。11月18日付のニューヨーク発の共同通信などが報じている。
増加の背景には、家族の在り方が多様化する中で、結婚するつもりはないが、独身であっても、男性であっても、同性愛者であったとしても、親になりたいという強い思いが根底にあるようだ。
生殖医療に携わる医師らで構成する民間団体「米生殖補助医療学会」のデータによれば、第三者から卵子の提供を受け、提供者とは別の代理母を通じて米国で生まれた子どもは、2004年には738人だったが、11年には2倍超の1593人に上ったという。
もちろん、この数字の中には、不妊に悩む女性が代理母に出産してもらったケースも含まれてはいるが、子どもを望む男性、出産を請け負う「代理母」、卵子提供者の3者をつなぐ役割を担っている仲介団体では、100件の代理出産の依頼があったとすれば、5、6件が独身男性からの依頼だと明かしている。
また、卵子提供者や代理母への謝礼を含めた出産費用の相場は約1230万~1470万円ということで、経済的に余裕のある会社経営者などの利用者が目立っているとのことだ。
生物学的なつながり求める
独身でも、どうしても子どもが欲しい場合、従来の方法であれば養子縁組を利用したりしていただろうが、生物学的なつながりを持ちたい一心で、代理出産を依頼するケースが増えているようだ。
しかし、子どもの発育上、父親と母親の両方で育児に携わることが重要だという考えを持つ人が多いことから、独身のまま父親になる、いわゆる「未婚の父」に対する偏見もあるそうだが、米国以外でも、今後、代理母を使う男性が増え続ける可能性は高い。

コトバンク
http://kotobank.jp/