6~7組に1組が悩んでいる
日本では不妊症というと「女性の病気」というイメージが強く、実際に女性だけが治療を受けているケースが多い。だがWHO(世界保健機関)の調査では「不妊症の約48%は男性に原因がある」という。「週刊朝日」2013年11月22日号の報道では、男性不妊の原因の中でもっとも多い「乏精子(ぼうせいし)症」の原因のひとつである「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」について紹介している。
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検査は婦人科などで可能
「乏精子症」とは、1ccあたりの精子濃度が1500万以下の状態が常に続く症状で、精索静脈瘤は精巣の静脈に血液が逆流して静脈が腫れ「こぶ」のようになった状態を指す。血液が流れにくくなることからくる精巣温度の上昇や、精巣内の低酸素状態などが精子が形成されにくくなる原因だと考えられている。
治療は泌尿器科で
精索静脈瘤は、静脈瘤ができている血管をしばり血液の逆流を止める手術で治療するのが基本となる。手術方法は腹腔鏡下でモニターを見ながら手術する「高位結紮(けっさつ)術」と手術用の顕微鏡を使って行う「低位結紮術」の2つがある。「低位結紮術」は顕微鏡に慣れていない医師にとっては難易度が高いが、再発率や合併症の発症率が低く精液の状態改善が早いため妊娠を望むカップルには有利。男性不妊専門医の白石晃司医師は比較的簡単にできる術式を開発し、普及に努めている。

週刊朝日
http://dot.asahi.com/wa/2013111500034.html