厚労省、中絶必要なしの見解
風疹の患者数が急増し、予防のために風疹ワクチンを接種する女性が増える中、妊娠に気づかずにワクチンを接種してしまった場合の対応について、厚生労働省研究班は22日、中絶を考える必要がないとの緊急見解をまとめ、その内容を日本産婦人科医会や日本周産期・新生児医学会などのホームページで閲覧できるようにした。
不妊治療を休止した直後などに予想外の妊娠をして、自分が妊娠している自覚がないまま、風疹ワクチンを接種してしまった妊婦にとっては朗報となりそうだ。
風疹ワクチンの添付文書には、妊娠初期の女性が風疹にかかると心疾患や難聴などの障害「先天性風疹症候群(CRS)」が出ることがあるため、ワクチンでも同じことが起こる可能性があるとして、風疹の予防接種前1カ月と接種後2カ月は妊娠しないように指導している。ただし、男性の場合はワクチン接種後、避妊の必要はない。
相談窓口16施設を公開
同研究班では「(CRSの)可能性は否定されるわけではない」としながらも、「世界的にみてもこれまでにワクチンによる先天性風疹症候群の発生報告はない」とし、万が一、ワクチンを接種した後に妊娠が分かった場合でも、中絶の必要はないと結論づけた。
しかしながら、風疹ワクチンの添付文書に記載されているように、引き続き、妊婦へのワクチン接種は避け、予防接種前1カ月と接種後2カ月の妊娠は避けるよう注意を促している。また、風疹に感染した可能性のある妊婦の2次相談窓口として、全国16カ所の病院も挙げており、一読してみる価値はありそうだ。

公益社団法人 日本産婦人科医会
http://www.jaog.or.jp/日本周産期・新生児医学会
http://www.jspnm.com/