独身ではなかったのか?
卑弥呼(ひみこ)、その名を知らない人はいないだろう。日本史の教科書には必ず出てくる女性。「魏志倭人伝」に記されている倭国の女王。邪馬台国で鬼道を用いて国を統治した。「魏志倭人伝」によれば、彼女は「無夫壻」、つまり夫はおらず、弟がいて政治をおこなっていたという。
ところが、12月26日付毎日新聞によると、卑弥呼の可能性がある女性有力者の骨盤に妊娠痕が残されていたことが分かった。
この研究は高知大の清家(せいけ)章教授によって行われ、古墳に埋葬された女性の妊娠痕を調べた結果、判明したものだ。
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骨盤から分かる妊娠
形質人類学では、骨盤に残る痕跡から、妊娠していたかどうかがわかるとされている。そして妊娠した回数が多いほど、痕跡も強くなる。妊娠痕は死んでも、消えることなく痕跡が骨盤に残る。
卑弥呼が亡くなってから、次々と古墳がたてられた。今回の研究から20メートル以下の古墳からは、家長と見なされる女性12体のうち10体に妊娠痕が確認され、20メートルを超える、地域首長らが埋葬されたとされる古墳からは、7体の妊娠痕が確認された。
また、骨盤が残っていなくても歯形から、血縁関係が分かる。歯冠とよばれる、歯の露出した部分を調べることによって、親子関係が判明するそうだ。
日本古代史研究家によれば、卑弥呼には夫も子どももいたという。卑弥呼は既婚者で出産もしていたかもしれない。古代の歴史の真実は研究により、塗りかえられる。卑弥呼にまつわる妊娠ミステリー、書物だけでは、もはや確信には至らない。

毎日jp 歴史・迷宮解:古墳の埋葬人骨
http://mainichi.jp/feature/news/卑弥呼には夫と子があった
http://kodai.sakura.ne.jp/yamato/605-himiko.htm