不妊の原因
今、約8組に1組の夫婦が不妊を抱えていると言われている。これまで、不妊の原因は女性にあるもの、という考えが根強かったが、最近ではその半数ほどが男性に原因があるという調査結果も出ており、夫婦揃っての検査や治療が欠かせない。
そんな中、2013年1月7日、デンマークのチームにより、ある食べ物が精子の数を低下させるという研究結果が発表されたのだ。
精子数を減少させる「飽和脂肪」
今回の研究は、2008年から2010年に軍入隊検査を受ける20歳前後の男性701人を対象に実施された。槍玉に上がったのは、チーズや肉に含まれている飽和脂肪。
その結果、飽和脂肪の摂取量が最も多かった若い男性グループは、最も少なかったグループに比べ、精子濃度が38%低く、精子の数も41%少なかったという。
調査を率いたティナ・イェンセン氏は、
「因果関係は断言できないが、別の研究でも飽和脂肪の摂取が他の健康問題に関係していることが示されており、精子数にも関係すると思う」
と話している。
以前にも、小麦などの穀類を多量に摂取することで精子の濃度や動きに改善がみられることや、果物に精子の動きを速める効果があるという報告もされている。
男性の中には未だに、不妊の検査や治療は「屈辱的」と感じる人も多い。食べ物など、ちょっとした生活習慣の改善で不妊を脱出できる可能性が上がるのなら、やってみてもいいのではないだろうか。

毎日新聞
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