副作用が心配される妊婦さんへの抗うつ剤、実際は?
女性の心の健康に注目が集まる一方で、妊娠中に精神科関連の薬を飲むことは、妊婦さんや赤ちゃんに、良くない影響が及ぶのではないかと心配する声が頻繁に聞かれます。
抗うつ剤の使用は、早産や死産、新生児死亡のリスクが高くなると考えられていることが多く、使用には十分な配慮がなされてきました。
1月2日付で、アメリカ医師会が発表した報告で、抗うつ剤の中でも、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors; SSRI)といわれる種類の薬では、妊娠や出産に悪影響を与えるリスクが低いとみられるとされました。
日本国内では、フルボキサミン(デプロメール、ルボックス) 、パロキセチン(パキシル) 、セルトラリン(ジェイゾロフト)などがこのSSRIにあたります。
ノルウェーの調査で、特に悪影響はないと分析
今回発表された報告は、ノルウェーの1633887人の女性を対象にした調査に基づいています。対象者のうち、1%にあたる、29228件がSSRIを飲んでいました。
薬を飲んでいる人と、飲んでいない人で、死産や新生児の死亡など妊娠や出産への深刻な影響の発生の割合に差があるかどうかを分析したところ、SSRIの服用は、妊婦さんや赤ちゃんに及ぼすリスクが目立って高いとは断定するには至りませんでした。
心配されてきたうつの治療ですが、現状では妊婦さんの心の健康を保ちながら慎重に投与が行われていれば、服用しても問題がないとまとめられています。

13wham.com ; Depression Drugs May Be OK For Pregnant Moms
http://www.13wham.com/news/local/story/Journal of the American Medical Association
http://jama.jamanetwork.com/