ヨウ素について知っていますか?
オンラインショッピングが普及し、海外のサプリを愛用する人も増えてきました。そんななか、注意して欲しいのが、海外の妊婦さん用サプリの利用です。
ヨウ素は、主に甲状腺の働きに関係する栄養素です。海藻などに多く含まれており、また、土壌の影響もあるので、日本で生活している場合、欠乏症はさほど頻繁に見られるものではありません。やっかいなことに、ヨウ素の摂取量は、多すぎても少なすぎても甲状腺の機能の異常を引き起こしてしまうのです。
妊婦さんがヨウ素欠乏症だと、流産や死産、赤ちゃんの脳障害などのトラブルを招くおそれがあります。一方過剰に取り過ぎると、妊婦さんだけでなく、赤ちゃんも甲状腺機能低下の症状や、クレチン病という病気を引き起こすことがあるそうです。
日本はヨウ素がとりやすい国。外国では不足しがちなことも
オーストラリアやカナダでは、もともと土壌に含まれるヨウ素が少ないこともあり、ヨウ素が不足気味の妊婦さんも比較的多く見られるのです。
オーストラリアでは、製パン業者は、ヨウ素入りの塩を利用することが義務づけられていますし、カナダでは人口の22%が不足気味、15%は取り過ぎと、非常に個人差が多いことが分かります。アメリカの妊婦さん用のサプリのおよそ半分は、ヨウ素が入っていると言いますが、更にヨウ素入りの製品を増やすべきという声があります。
このため、日本で生活している妊婦さんが、海外産のヨウ素添加のサプリを飲むと、ヨウ素を取り過ぎてしまうことが起こりうるのです。日本でも海藻などが由来のサプリが出ていますので、こういった製品もあわせて注意が必要です。
薬と違って、サプリはあまり警戒心なく口にしてしまうことも多いものですが、ヨウ素については、きちんとした知識をもって、安全性を確認したいものですね。

Wikipedia ; 甲状腺機能低下症
http://ja.wikipedia.org/wiki/甲状腺機能低下症CBC News ; Iodine supplements recommended for pregnant women
http://www.cbc.ca/news/health/story/ABC News ; Your daily bread, now with iodine
http://www.abc.net.au/health/thepulse/stories/