高いコレステロール値が不妊を招く
アイルランドの不妊治療専門家は、コレステロール値が高いと妊娠の可能性を低下させるとの研究結果を発表した。また、バッファロー大学(アメリカ・ニューヨーク州)とエモリー大学(アメリカ・ジョージア州アトランタ)にて実施された研究より、女性のコレステロール値が高いと不妊を招く要因になると判明した。
コレステロールはエストロゲン(女性ホルモン)やテストステロン(男性ホルモン)といったホルモンの生成を助けるが、多すぎても少なすぎても妊娠の妨げとなる。
女性のコレステロール値が基準値以上の場合、自然妊娠により子供を授かる可能性が低くなる。一方、男性のコレステロール値が高く、女性が基準値以内の場合は妊娠過程に与える影響はないという。
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健康的な食生活と妊娠成功率は比例関係
ユニス・ケネディ・シュライバー米国立小児保険発達研究所(NICHD)は、2005年から2009年の間、ミシガン州4都市とテキサス州12都市にて妊娠を希望するカップル501組を対象に妊娠に至るまで調査を続けた。(女性:18歳から44歳、男性:18歳以上)
研究結果より、健康的なライフスタイルや食生活が妊娠成功率を高め、妊娠を希望するカップルは男女ともに最適量のコレステロール値を保つ必要があると立証された。
健康的な食生活により精子・卵子は良質となり、不妊や流産のリスクは減少する。逆に、不規則な食生活はコレステロール値を上昇させ、卵子の質は下がるため不妊や流産のリスクが増加する。
不妊症患者のうち40%が食生活起因
ダラス生殖医療・不妊治療クリニックのデクラン・キーン(Declan Keane)医師は、妊娠成功率を高めるためには健康的な食生活、腸内環境の改善が重要であると述べている。腸内環境を整えることによりビタミンやミネラルを適切に吸収でき、健康的な食生活の維持に繋がる。
キーン医師によると、クリニックを受診する不妊症患者のうち40%が食生活に起因する不妊である。不妊治療を受けずに食事・体重管理のみ行った結果、自然妊娠にて子供を授かる患者も少なくないという。
不妊症の要因は遺伝、加齢など複雑であるが、自然妊娠のために健康的な食生活・体重、適切なコレステロール値の維持を心掛けることは重要だと言える。

Irish Examiner
http://www.irishexaminer.com/NICHD
http://www.nichd.nih.gov/Repro Med
http://repromed.ie/