抗精子抗体
抗精子抗体は、精子に対する抗体です。抗体とは体にとって異質なものを排除するためのものですが、稀に精子を異質なものと女性の体が判断してしまい、精子に対する抗体を作ってしまうことで妊娠ができない場合があります。
(画像はイメージです)
抗精子抗体は精子の機能を阻害し、妊娠を妨たげると言われていて、血液中、リンパ液中、または膣の分泌物や精液から見つかることもあるそうです。
不妊と抗精子抗体の関係
そこで2014年に「Annals of Biomedical Sciences」に発表されたナイジェリアの研究では、不妊の男女において、抗精子抗体がどのように不妊にかかわっているのか、そして抗精子抗体の存在と精液の粘性との関係を調べたとのことです。
202人の不妊の男女(110人の男性と92人の女性)を調査した結果、28.2%の人に抗精子抗体が見られたそうです。男性では22.7%、女性では34.8%と、女性のほうが多く見られました(統計的には男女での差はなし)。
また、精液の粘度が高ければ高いほど抗精子抗体は少なかったそうで、一番抗精子抗体が多く見られたのは精液の粘度が普通だった人でした。
また、抗精子抗体には三つの免疫グロブリン(抗体タンパク)が関与していました。
結論として
筆者らは、抗精子抗体は不妊の人たちの間では比較的良く見られ、抗精子抗体は精液の粘度には影響していなかった、と結論付けています。
編集部 C-NZ

A Study of Anti-Sperm Antibodies among Infertile Subjects Investigated for Infertility in Lagos, Nigeria
http://www.ajol.info/