ムンプス精巣炎
ムンプス精巣炎はいわゆるおたふく炎の合併症の一つです。精子が含まれる精巣に炎症が起こるため、精巣萎縮が起こることがあり、そうすると受精できる能力が減ってしまうことがわかっています。
(画像はイメージです)
2014年に「Human Andrology」に発表されたエジプトの研究では、ムンプス精巣炎を過去に起こしたことがある、非閉塞性無精子症の男性に、顕微鏡下での精巣内精子採取を行い、その効果を調べたそうです。
ムンプス精巣炎と精巣内精子採取
調査された被験者たちは31人。初めての子供が不妊であり、無精子症であることがわかっていて、さらに、従来の精子内バイオプシーが不成功だった人たちが集められました。
21人(グループ1)は無精子症とは無関係の病気をしたことがあり、11人(グループ2)はムンプス精巣炎を起こしたことがあり、ともに3ヶ月の治療をうけました。
無精子症とは精液中に精子が見られないことで、精子内バイオプシーとは麻酔をして陰囊を切開して、その中から精子を取り出す方法です。
その結果、顕微鏡下での精巣内精子採取で、グループ1の人たちからは35%しか精子は取り出せませんでしたが、グループ2の人たちからは81.8%もの人たちから精子が取り出せたとのことです。
結論として
ムンプス精巣炎を過去に起こしたことがある非閉塞性無精子症、というかなり限定された条件ではありますが、従来の精子内バイオプシーが不成功でも顕微鏡下での精子内精子採取が大変有効だったと筆者らは結論付けています。
編集部 C-NZ

Microscopic testicular sperm extraction can be beneficial in nonobstructive azoospermia patients with history of mumps orchitis even if previous conventional biopsies were unsuccessful
http://journals.lww.com/humanandrology/