着床診断で、流産が防ぐことができる可能性
不妊治療を行っている北九州市のセントマザー産婦人科医院では、「習慣流産」を防ぐことを目的とした「着床前診断」について、妊娠する確率が上がる患者は、どのような条件を持つ患者なのか、その条件を見いだし、学会で発表をしました。
「習慣流産」とは、3回以上自然流産を繰り返すこと。その原因は、子宮異常、自己免疫異常、染色体異常などが明らかになっていますが、原因解明には至っていません。
何度も流産を繰り返すことは、肉体的にも精神的にも大きなダメージとなります。もし「着床診断」をすることで、妊娠・出産の確率が上がるのであれば、これは患者にとって、非常に大きな発見につながるのではないでしょうか。
「いつかは妊娠できる可能性はある」とは言われても・・・
セントマザー産婦人科医院では、2006年から今年9月までの間に、「着床前診断」を行い、受精卵を子宮へ戻した患者は55人になります。
この55人のうち、38名が妊娠。この38人の平均年齢は、33.6歳、平均採卵数は9.8個、23人が初回の診断で、13人が3回目までで妊娠に成功し、流産率は自然妊娠と変わらない21.1%となりました。一方、残念ながら妊娠しなかった17人の平均年齢は39.5歳、平均採卵数は3.3個でした。
同病院では、この結果から、
「採卵できる卵子の数が10個以上の35歳未満の女性であれば、妊娠率の向上を図ることができる」
としています。
いつかは妊娠できる可能性があるとして、この「着床前診断」については、否定的な考えもあるそうですが、そのいつかのために、何度も流産を繰り返すことは、誰もが経験をしたくないはずです。
田中温院長は、
「着床前診断の効果が高い患者の傾向と、実施回数の目安は3回程度までだと分かってきた。診断の対象をめぐる議論に役立ててほしい」
と述べています。

毎日jp
http://mainichi.jp/select/news/セントマザー産婦人科医院
http://www.stmother.com/index.html