卵胞の減少傾向は母親から受け継がれるものだった
母親の閉経の年齢が、娘の妊娠の状況の予測に役立つことが明らかになり、専門誌Human Reproductionで紹介されました。
研究では、娘の卵巣の予備機能を測定しました。指標となったのは血液検査によるアンチミュラー管ホルモンと、超音波による胞状卵胞数計測です。これらのデータを、女性の母親の閉経の年齢と照らし合わせたところ、母親が早い時期に閉経を迎えている女性は、AMHもAFCも早い時期から低下してくることが分りました。
つまり、卵胞の数の減少スピードが速いため、妊娠可能な期間も早く終了するということで、この状況は母親から受け継がれる要素であると解釈されました。
早くに閉経を迎えた母親を持つ女性では、卵巣予備機能の低下スピードが加速
母親の閉経が45歳前だった女性の、AMHの減少率は年間8.6%、母親の閉経が45歳から55歳だった場合と、56歳以上だった場合ではAMHの減少率がそれぞれ、6.8%、4.2%という違いが見られました。
この研究結果が、直接的に妊娠率に結びつくわけではありませんが、一つの指標と考え、母親が早くに閉経を迎えている女性が不妊治療を検討している場合には、少しでも早くに専門家を訪れるほうが良いと考えられます。

Human Reproduction ; Maternal menopause as a predictor of anti-Müllerian hormone level and antral follicle count in daughters during reproductive age
http://humrep.oxfordjournals.org/content/early/