多胎出産のリスクを防止する目的でeSET推進へ
不妊治療の歴史上大きな出来事となる報告が、11月1日付けで、米国疾病対策予防センターから発信されました。
アメリカ不妊協会が、不妊治療の対象者に、選択的単一胚移植(eSET)についての教育を長期的視野で行う報告付けが明らかになったというものです。
eSETとは、体外受精の際に受精卵を一つだけ子宮に移植する方法です。
不妊治療の進化と共に増加してきた多胎リスク
発表によると、テクノロジーの進化によって、不妊治療の結果の妊娠率が上昇していますが、これによって双子やこれ以上の多胎を妊娠する女性が増えています。
多胎妊娠は、早産や低出生体重児のリスクも高く、母胎も中毒症などのトラブルの率が高まります。こうしたリスクを防ぐために、今後eSETをすすめて行くにあたり、治療を受ける人への教育的意義があるとされました。
当面対象となるのは、特に多胎妊娠の可能性が高い35歳以下の女性となるとのことです。
日本ではまだ一般的には行われていないeSETですが、米国の取り組みを受け国内でも影響が現れてくるかもしれません。

Centers for Disease Control and Prevention ; Assisted Reproductive Technology Surveillance — United States, 2009
http://www.cdc.gov/mmwr/preview/