見過ごされがちな男性不妊症
今月24日付のNHK教育テレビ「ハートネットTV」では、「男性不妊症 患者たちはいま」と題し、6組に1組の夫婦が悩んでいるとされている不妊症の最新情報を紹介するとともに、不妊症に悩む男性患者の声を取り上げている。
番組の冒頭部分では、WHO(世界保健機構)の調査の結果、不妊の半数近くが男性に原因があると認定したことを紹介。
男性不妊治療の専門医の数が、女性不妊治療専門医の数の10分の1程度しかなく、数少ない男性の不妊治療の専門医として山口大学医学部附属病院の泌尿器科の白石晃司医師の取り組みを報じ、非閉塞性無精子症の患者をmicro-TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術)と呼ばれる技法を使い、顕微鏡を見ながら精巣を切り、直接精子を取り出す様子や、採取した精子を直接卵子に受精する「顕微授精」という最新の受精方法などを紹介した。
早めの受診と適切な治療が大切
白石医師の話によると男性の不妊症の6~7割は原因が分かっているそうで、薬の服用や手術などをすることで治療できるケースも多く、診断と治療が非常に大事だと論じている。
また、男性の不妊症治療は、妻が治療をしてダメだった場合に紹介されるケースが多く、その時点で数カ月から数年たっていることも多いので、もっと早くに治療を開始してくれれば良かったと感じることが多々あるとも述べている。
大都市以外には男性の不妊治療の専門医が少なく、女性の不妊治療に比べ、男性の不妊治療には解決方法がないと考え込んでしまうケースもあるようだが、今後は積極的に、産婦人科などを通して、男性の不妊症も治療できるケースがあるということを、呼びかけていく必要があるだろう。

NHK福祉ポータルハートネット
http://www.nhk.or.jp/heart-net/tv/山口大学泌尿器科
http://www.urol-yamaguchi.jp/