不妊の原因のおよそ半分は男性側に
女性にあると思われがちな不妊の原因ですが、その半分は男性にあるということが最近の研究では分かってきました。
男性不妊としては、造精機能障害、精路通過障害、副性器の障害、性機能障害などが原因として考えられますが、年々その患者数は増加の傾向にあるそうです。
NEWSポストセブンで、順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授の白澤卓二氏は、
環境ホルモンや様々なストレスを受けることによって、身体の中で発生する活性酸素が男性不妊の増加に拍車をかけていると指摘する報告もある
と、男性不妊患者が増加傾向にある原因として、食事習慣がその一因でもあると述べています。
いつまでも元気でいて欲しいなら「お魚」中心の生活を
米国ニューハンプシャー州・ハノーバーのダートマス医科大学産婦人科のジル・アタマン博士らの研究によると、不妊治療を受けている男性患者99人を対象に食事調査と、精子の分析を実施。その結果、
食事で脂肪の摂取が多かった群の男性は脂肪の摂取が少なかった群の男性に比べて、射精1回あたりの精子数が43%減少、単位精液量あたりの精子濃度は38%も減少
していることが明らかに。また、食事にお肉を多く摂取している男性は、そうでない男性と比較したところ、精子濃度が41%も低いことも分かりました。しかも、魚に含まれている「オメガ-3不飽和脂肪酸」を多く摂取している男性の精子は、奇形が少ない傾向だったとのこと。
さらにお肉は、将来の死亡リスクも高めます。日本生活習慣病予防協会では、
「赤身肉をとることで2型糖尿病、冠動脈疾患、脳卒中、がんなどの危険性が高まる」
という米国の研究を紹介しており、不妊だけでなく、健康のためにも、お魚中心の生活を取り入れていくことが大事と言えます。

週刊ポスト2012年10月19日号
http://www.news-postseven.com/archives/日本生活習慣病予防協会
http://www.seikatsusyukanbyo.com/