新たな精子の観察方法
人の精子は、非常に研究が難しいといわれている。それは、その小ささと動きの速さが原因だ。人の精子は、微生物と比べても格段に小さく、速いスピードで動く。
アイドハン・オズジャン氏率いるカリフォルニア大学の研究チームは今回、2万4000以上の精子の動きを観察した。その方法として、まず、精子バンクから精子を入手する。その精子をシリコンセンサーチップに乗せ、動き回る精子を赤と青のLEDライトで照射した。そうすることで、それぞれの精子の軌道を記録することに成功したのだ。
実際の精子の動きとは
この方法で、精子の動きを観察したところ、様々なことが分かった。ほとんどの精子は、直線の軌道を描くが、一部の精子はらせん状の軌道を描いたのだ。更に、頻繁に動く方向を変え、極めて活発な動きを見せた精子もあったという。
オズジャン氏によると、今回判明した精子の動き方と健康状態について、明確な相関関係は判明していない。つまり、極めて活発な動きをしている精子だからといって、より健康であるという訳ではない。ただ、将来的にはその関係に関する研究も進む可能性が高い。
今回の研究結果が、男性の生殖能力に関する検査の向上に一役買うことは間違いないだろう。論文は、2012年9月17日付けの「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載された。

Gigazine
http://gigazine.net/news/20120919-sperm-cannot-turn-left/